子育て世代の田舎移住~東京と田舎の比較~

子育て世代の田舎移住 移住

南丹市に2024年9月から地域おこし協力隊として活動している山内さんと管理人の共通点として、「東京都内(※)からの移住」、「子ども2人」という共通点があります。
子どもの通う学校も学年も違いますが、山内さんのご家庭の状況を伺いながら、
1.子育て世代の田舎移住のメリ/デメ、2.教育環境の比較、3.転校
という視点で田舎移住の実情を紹介します。
 ※東京23区内ではありませんが、新宿から30~40分前後の私鉄沿線です。

「子育てをするのは田舎がよい」という単純な話をするつもりはありません。
都会には都会の、田舎には田舎のよさがあります。
親として、一生に一度の子供時代をどのような環境を用意するか?ということです。
子育て世代で移住を検討されている方に向けた、管理人独自の視点での記事です。

スポンサーリンク

プロフィール

山内さん

小学生の女の子と幼稚園の男の子の二児の母。
京都市伏見区出身で幼少時には美山町内で遊んで過ごした経験も。
子どもの通学している小学校は各学年1クラスの学校。もう少し増えれば2クラスになる学年もある、南丹市内では中規模の学校。
子育てのキーワードは「旅育」

管理人(矢野)

小学生の女の子が二人の父。
福岡県の人口約6万人の地方都市出身。長女は3校目の小学校(鳥取→東京→南丹市)。
子どもの通学している小学校は南丹市内でも小規模の学校(各学年1クラス)。
子育てのキーワードは「食育」。二人ともよく食べます。

子育て世代の田舎移住のメリット3選

いつの間にか食育

「食育」という観点から、その土地でとれた旬の新鮮な野菜を食べることは大きなプラスです。
田舎は地産地消の食べ物が多く、農産物直売所は旬の野菜が安値で販売されています。生産者の名前が記載されていることも多く、指名買いをすることも可能です。
美味しさと、安心感が何よりも違います。
農家さんと仲良くなればおすそ分けをいただくこともありますし、自家菜園もチャレンジしやすい環境です。
 ※スーパーの商品や加工食品は比較的、値段が高くなる傾向です。

都市部と比較すると治安が良い(かも)

子育てをする場所を検討する上で重要な要素の一つに「治安の良さ」があります。
学校の登下校や友達と遊ぶ時など、子どものみで行動させるときの安全面です。
都会と比較すると田舎は地域のコミュニティがしっかりしていて、集団下校をするなど地域全体で登下校を見守ってくれるので、安心感が違います。

こんな教育の違いがありました。
 ・東京:知らない人に挨拶をしてはいけない
 ・田舎:人とすれ違うときは挨拶をしましょう

とはいえ…そもそも、見守ってくれる人の数そのものは少ない。
そして、2024年度は京都新聞にこんな記事が掲載されました。

私の携帯には熊の目撃情報が小学校から12件届きました。(プラス、サルが1件)
 ※2024年7月末~11月上旬
あとは外灯などは少ないので、日が暮れる前の帰宅は必須です。

ストレスの少ない環境

都市部はアパートやマンション暮らし、戸建ても道路に窓を面して暮らしている方が多いのではないでしょうか?隣近所の会話やTVなどの生活音を気にしたり、その逆もしかりです。
公園もボール遊び禁止や手狭なところもあり、子どもが日々、思いっきり遊ぶには少し不便だったのも事実です。
 ※公園の数や遊具は東京のほうが充実していた印象です

南丹市は土地の広い戸建て住宅が多いです(賃貸物件が少ないのは難点)。
公園もありますが、(一度帰宅して、)小学校で遊んだり、お友達の家に行くことも多いです。こういったのびのびとした環境は、田舎ならではの魅力です。大自然の中での山遊びや川遊びなども貴重な体験です。
交通量そのものは少ないですが、信号が少ないこともあり車の速度が速いのは難点です。

子育て世代の田舎移住のデメリット3選

学校や塾/習い事の選択肢が少ない

田舎は高校や大学の選択肢は限られます。幼稚園(保育園/こども園)も同様です。
大学は親元を離れて・・・というケースは多いと思いますが、JRなどの交通の便が悪い場所だと高校の通学も大分、不便になります。小学校や中学校も不便なケースも。

長女が(鳥取の)小学校の入学時の出身幼稚園(保育園/こども園)は全員、違いました。
この状況も珍しいと思いますが、近隣に20園近い施設があったことになります。
一方、次女が(南丹市の)小学校の入学時は全員、同じ保育所の出身でした。
子供の数に合わせて園を設置するので、田舎だと「一の区域で一施設」が基準となります。

管理人
管理人

管理人は高校時代、片道2時間の通学でした。
それを考えると、高校の選択肢の範囲は以外と広いかもしれませんが・・・推奨はしにくいですね。

子どもの習い事ランキングで上位の習い事が南丹市内で可能か確認しました。
・水泳:不可
・サッカー・フットサル:可能
・ピアノ・電子オルガン:可能
※「英会話などの語学」や「学校の予習・復習」はオンライン学習が可能なので考慮外です。
※南丹市内も以前は水泳教室がありましたが、現在は亀岡市内に行く必要があります。
ちょっと強引ですが、選択肢は限られるが、習い事そのものはできる。と考えてよさそうです。

管理人
管理人

余談ですが、管理人はフィットネスクラブ(ジム)に10年ほど勤務していました。
プールは管理が難しかった記憶があります。採算面は当然ですが、安全や水質管理などです(そんな理由で最近のジムはプールなしが多いです)。
子供の習い事の一番人気の水泳ですが、安全面の配慮は各段に難しくなります。
そういった観点で、人数の限られる「田舎で水泳教室」の運営は難しいです。

接する大人の数が少ない/クラス替えがない

多様性(ダイバーシティ)という言葉があります。
子どもの数が少ないので、担任任せではなく、必然的に学校全体で様々な角度で子どもを見てくれるという安心感は小さな学校ならではです。
一方、子供から見た大人の絶対数が少ないので「思考の幅が広がらない」とも言えます。
先生方の個性を見ても、良くも悪くも東京の小学校の方が幅が大きかったように感じます。

小規模校では6年間(幼稚園等や中学校を入れると12年間)、全員同じクラスの可能性があります。もし相性が悪かったら・・・という不安は当然です。
子どもだけでなく、親同士の相性も同様です。
クラス替えがあれば、「あと1年我慢すれば…」とも考えることができます。

医療機関が少ない

タイトルどおり、「医療機関は少ない」のでデメリットですが、メリットもあります。
診察までの時間は比較的、短い傾向に感じます。
時と場合と場所による部分もありますが、
・田舎は病院までの時間はかかるが、診察は早い(場合によってはヘリコプターも)
・都会は病院までの時間は短いが、診察まで長い
いずれにしても、選択肢という観点では医療機関は少ない&遠いことが多いです。

管理人
管理人

最近利用した発熱外来は朝イチに予約TEL→夜の来院予約になりました。
 ※発熱のタイミングを考慮した予約時間の設定している側面もあるので、一概には言えません。
本当に時と場合と場所によると思います。

小学校の教育環境の特色比較

ここからは管理人の感じたことを中心に綴っています。
本質的に正確ではない情報もあるかもしれません。
「どこが良かった」と述べる気もありません(正確にはどこも良かったので優劣はありません)。
子どもに聞いても、●●は鳥取が良かった。○●は東京、○○は南丹という感じです。
「へ~そうなんだ。」と感じていただき、田舎移住へのハードルが少しでも下がればと思います。
なお、子供が通学していないため、「小学校以外」の情報はありません。

宿題の内容と量

担任の先生の教育方針や学年の違いなのかもしれませんが、宿題に大きな差を感じます。
鳥取:漢字の書き取りや計算問題が中心で、量が多い

東京自主学習が多い(最低限の量(ノート2頁)は決めるが、内容や量は自由)
※実際には学習塾など習い事をしている子も多く、学力は高い傾向

南丹宿題+自主学習の形態で東京より多いが、鳥取より少ない

管理人
管理人

小学校からの配布資料に家庭学習の目安時間が記載されています。
(1・2年生:20~30分、3・4年生40~60分、5・6年生60~90分)
鳥取は2倍近い数値だったような記憶があります。同時にムリでしょ。とも・・・個人的には南丹市ぐらいが適正な気がします。

課外授業

市(教育委員会)の方針の違いなのかもしれませんが、授業外の活動にも差がありました。
・鳥取:文を書いたり発表する機会が多い(小1でも卒業生の文集に寄稿や個別に送辞など)

・東京:音楽の活動に比較的時間を割いていた印象

・南丹:運動(特に陸上競技)に力を入れている印象(京都府全体なのかも)

管理人
管理人

「市内の5・6年生が一堂に会して記録会を開催」って驚きました。
丹波2市1町の小学生が競い合うキッズふれあい駅伝も開催されています。

ICT教育

タブレットを使った授業はどこも遜色ないレベルで実施されている印象です。
担任の先生の力量や子どもの年齢による差が大きいかもしれません。
個々がタブレットに入力したものをホワイトボードで一覧になって全員が確認できるなど、挙手しなくても全員が考えや意思を示す授業が行われていました。

一方、鳥取ではコロナ下に導入されたICT教材が2024年に南丹市に導入されました。

鳥取は県が音頭を取っていて早期導入だったのかもしれません。
本当に導入が必要だったのかは現時点ではよくわかりません。

通学について

南丹市は基本的に集団登校を実施していますが、学校から遠い地域はスクールバスでの登校となります(美山地域では8割が利用)。
 ※集団登校のため、低学年は高学年の授業終了まで待機する必要があります
なお、放課後児童クラブ(学童)を利用の場合はお迎えが必須です。

転校について

費用面

学校が変わることによる多少の出費があります。
しかし、ゼロから揃える。ということはなく、そこまでの負担感はありません。
前の学校の体操服やランドセルなどをそのまま使えます
 ※子どもの意向で、買い替えが必要かもしれませんが、学校側からの強制はほとんどありません。
 ※どちらかというと、成長に合わせて買い替える感覚です。

管理人
管理人

南丹市の小学生はランドセルではなく、ランリュックと呼ばれる黄色の通学用カバンを使用します。が、管理人の子どもたちはランドセルを使ってます(本人たちの意向)。
東京だと、防災頭巾を(強制)購入したのが印象的でした。

子供のこと

同じように南丹市に都市部から転入された子が「馴染むのに時間がかかった」と聞きました(今ではすっかり馴染んでいる、との事)。
管理人の子どもに聞くと、
東京のほうが田舎より転校生を歓迎する気持ちは大きいかも。と・・・
理由は「自分の所属する派閥の拡大をはかるため!」とのことです。
田舎は馴染むのに時間はかかるかも。と・・・
理由は「元々、少人数で団結している所に異分子がやってくる状態だから、ある意味当然」。

理由を聞いたら、大人社会とそっくりな気がしましたが、皆様はいかがですか!?

最後に

冒頭に、「子育てをするのは田舎がよい」という単純な話をするつもりはありません。
都会には都会の、田舎には田舎のよさがあります。
と記載しました。
田舎の教育のネガティブな部分は確かにあります。一方でポジティブなところも多くあります。
その環境を楽しんだり、活かすのは子どもと応援する親次第です。
このページをご覧になられている方は様々な理由やきっかけがあって、移住を検討されているかと思います。「田舎のよさ」を楽しんだり、活かすことができるようであれば、南丹市も移住の候補地としてご検討ください。

タイトルとURLをコピーしました