昔から根付く独特の風習や方言。知っておくと便利で、暮らしがもっと楽しくなる南丹ならではの”ご当地スタイル”を南丹辞典より50選を抜粋して、ジャンル別に紹介します。
「南丹辞典」とは
引用:南丹辞典、「南丹辞典(第二版)」販売のお知らせ – nancla(なんくら)南丹市定住促進サイト ~ 京都で田舎暮らし
南丹市地域おこし協力隊が自分たちの目線で発見した「南丹市の魅力」を紹介しようとするものです。「住んでいるからわかること」と「住んでいるのに知らなかったこと」を基準にして100ページほどにまとめました。元ヨソモノである私たちだからこそ見えてきた魅力を、辞書というかたちにすることで、たくさんの人が南丹市の面白いところを一望できるのではないかと考えました。
「南丹辞典」は有料販売していることもあり、全てを掲載することはできませんでした。このページでは管理人が特に気になった、移住者が知っておいたほうがいい。と感じたキーワードを選び、許可をいただいて掲載しています。
本書の発行は2020年で、変更等で古い情報もありますが、「あ」の項目だけで33個、全100ページと大変、読み応えのある本(辞典)です。
移住後に小さなコミュニケーションのズレがせっかくの移住が悲しい結果にならないようにと、移住者である自分自身も勉強しながら、ピックアップ/ジャンル分けしました。
方言/語句
語句 | 意味/詳細 |
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あったかごはんのひ 【あったかごはんの日】 | 各家庭から白飯を持参する保育園の給食で、あたたかいごはんが提供される日のこと。 |
おち 【落ち】 | 日役を久席した時に支払う代金思の名称。 他地域では不参加金、不参金とも呼ばれる。 |
かった・こうた 【かった・こうた】 | 「かってきて」と言われても、購入してよいとは限らない。 借りてきて、という意味の場合がある。「こうてきて」なら「購入してきて」。 |
かわとうばん 【川当番】 | 美山町各地の川にある遊泳場で、子どもたちを見守る当番。 |
きょうとちゅうぶ そうごういりょうせんたー 【京都中部総合医療センター】 | 以前の名称が「南丹病院」だったことから、地域の方からは以前の名称で呼ばれている。 |
ぜ→で 【ぜ→で】 | 方言で、「ぜ」が「で」になりやすい。 例:「全然」→「でんでん」など。 |
せやじょ 【せやじょ】 | 「そうだよ」の意味。語尾が可愛い。 園部町地域中心か。 |
ぞ→じょ 【ゾ→じょ】 | 語尾に「~じょ」がつきやすい。「~だぞ」が「~だじょ」になることが多く、 移住者からはかわいく聞こえて愛されている。園部町地域中心か。 |
そうこ 【そうこ】 | 「そうかな?」「そうか!」「そうかぁ…」一つでいろんな意味。 |
とんねるができるまえはなぁ~ 【トンネルができる前はなぁ~】 | 美山の年配者の口癖。 |
ぴりぴり 【ピリピリ】 | 雨の降り始めのことを指す南丹市周辺の方言。 使い方「雨がピリピリしてきたで」。 |
よー? 【よー】 | 「えー?」という聞き返し。 |
わかもの 【若者】 | 園部町・八木町では40代以下くらい、 美山町・日吉町では60代以下を指す。 |
南丹辞典に記載のなかった「日役」の意味をここで紹介します。
各家庭から1人が出役し、年に数回、地域の共有施設やお寺などの草刈り、清掃作業などの作業をする時に使われている言葉です。様々な「日役」で地域の環境を自らの手で守っています。
面倒な要素もありますが、「なんでも行政」ではなく、地域に愛着が沸くための一つの工夫ではあると感じます。
文化/伝統
語句 | 意味/詳細 |
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あたごじんじゃ 【愛宕神社】 | 総本社は京都市右京区にある、火伏せ・防火に霊験のある神社。地域の方には「愛宕さん」とも呼ばれる。 愛宕信仰の祭事に「上げ松(松上げ)」というものがある。 言仰のある地域は、講の前に総本社へ当番の人がお参りに行って、信仰者全員分のお札を購入している。 近年では、ネットで購入する地域もある。 |
いきみてんまんぐう 【生身天満宮】 | 園部町美園町にある神社。菅原道真公が生きていた時に生祠として祭祀したことから、生身(いきみ)天満宮といわれる。 日本最古の天満宮といわれる由縁だ。 |
いしだけじゅうたく 【石田家住宅】 | 美山町樫原にある古民家。建築年代が分かる中では日本最古の農民家として、国の重要文化財に指定されている。 苔の美しいかやぶき屋根や田の字型の間取り、梁や柱には、表面を手斧(ちょうな)で削って仕上げる「手斧仕上げ」を見ることができ、のどかな雰囲気の空間。 典型的な初期の北山型民家。希望する方にはガイドあり。 |
うらぼん 【盂蘭盆】 | 7月15日を中心に行う、祖先の霊を祭る仏事。南丹市内にもその時期に行う祭事が数多く存在する。 ちなみに「裏盆」という言葉もあり、盂蘭盆の期間終わりのころを指す。 |
じゅずくり 【数珠繰り】 | お金の行事。地域のお地蔵さんにお参りしてから、組長さん宅に集まり参加者が円座し直径10メートルほどの数珠を念仏に合わせて繰り回していく。 数珠についた房が自分のところに来たときに、お願いごとをしたりする。 お彼岸でも数珠繰りをする地域もあり、詳細は地域ごとで多少異なる。 |
そのべじょう 【園部城】 | 園部町小桜町周辺にあった日本の城郭史で最後の建築物。 建造物群の一部は府の「暫定登録文化財」に登録されている。 |
たんばおんど 【丹波音頭】 | 丹波地方一帯で愛される盆踊り。美山では保存会もあり、生唄で音頭取りをするらしい。 |
のあがりやすみ 【野上がり休み】 | 美山町では田植えが終わったとき、住民が集まり宴会をする「野上がり」が今も続いている地域がある。 文献によると日吉などでも「さなぶり」という公休日があったという。 農上がりともいう。 |
ようかび 【ようか日】 | 旧暦のお釈迦様の誕生日である5月8日には、各家の前に天道花という竹ざおの先に花 (主に赤いつつじ、フジ、しきみ)をつけたものを立てる。 |
「日本最古」と「最後の建築物」って、いい響きです。
「最後の建築物」って一瞬?になりますが、「一番最新の建物」ってことですかね?これも大分誤解を招きそうです。朝日新聞デジタルマガジン&にわかりやすい解説が掲載されていますので、ご覧ください。
地名
語句 | 意味/詳細 |
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あまわかこ 【天若湖】 | 淀川水系の要所となる日吉ダムの人造湖。いくつかの集落が湖底に沈む。 龍のような形をしており、縁起がよい土地として親しまれている。 オオサンショウウオの純血種が生息している。 |
おおいがわ 【大堰川】 | 桂川の別称。日吉や園部では柱川、八木では大堰川、亀岡市では保津川と名を変える。 春は桜、夏は花火でにぎわう。南丹市のウユニ塩湖。水面が穏やかで凍ることがある。 |
きたくわだぐん 【北桑田郡】 | 1879年から2006年まで存在した行政区画。 発足当時の郡域は旧美山町、旧八木町神吉、右京区・左京区の一部。別称は北桑(ほくそう)。 |
けいほくちょう 【京北町】 | 旧美山町とともに北桑田郡を構成したが、2005年に京都市右京区に編入 「京都市内に行く」という会話では含まれていないことが多い。 |
なんたん 【南丹】 | ①亀岡市、南丹市、京丹波町の2市1町、 ②南丹市、 ③中華人民共和国広西チワン族自治区南丹県 |
なんたんし 【南丹市】 | 京都府中部の丹波地方に位置する市。人口約3万人。面積は616.4平方キロメートルと京都市に次ぐ府内2位の広さ。 「丹波の南部」が市名の由来だが、南丹市の南には亀岡市があるため、場所を説明するのに苦労する。 丹波篠山市には旧丹南町もある。関連語)西京都市 |
にじのこ 【虹の湖】 | 由良川水系、美山町にある大野ダムの人造湖。 虹の湖には9本の吊り橋がかかり、昔は虹の色に塗り分けられていた。 関連語)虹の湖公園、虹の湖パターゴルフ場 |
道路
語句 | 意味/詳細 |
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きょうとじゅうかん じどうしゃどう 【京都縦貫自動車道】 | 通称「じゅーかん」(バイパスともいう)。 おかげでめっちゃ海が近くなったとだれもが口をそろえる。 |
こくどう 【国道】 | R9(山陰道)、R162(周山街道)、R372 (篠山街道)、 R477(別名、酷道・琵琶湖大橋もR477)。 |
しゅうざんかいどう 【周山街道】 | 国道162号、京都市から続く「西の鯖街道」。 多くのライダーに人気だが、スピード、事故には注意。 周山街道の白バイさんは日本一速いらしい。 |
ひよしとやぎの きゅうなかーぶ 【日吉と八木の急なカーブ】 | 園部町船岡の交差点。 日吉から亀岡に抜ける際に、信号を左に抜けると、信号の少ない道を走ることができる。 |
みやまかやぶき ゆらかいどう 【美山かやぶき由良里街道】 | 大野ダムから日本の原風景「かやぶきの里」を経由して、自然豊かな芦生へと至る由良川 (美山川)沿いのルート。 日本風景街道に登録されている。 |
道路に関しては警察・消防・防災(ライブカメラ)に交通事故関連の情報をアップしているので、併せてご覧ください。
その他
語句 | 意味/詳細 |
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くさかり 【草刈り】 | 田舎に住む多くの人が逃れられない作業。春から夏にかけて雑草が伸びる勢いには圧倒される。 やってみると草刈り機を使うのも意外に楽しく、美しく草刈りされたところを見て嬉しさを感じるかもしれない。隣が草を刈ったのを見て競争のように刈る。 移住者はついていけないかもしれないが、地域は自分の家の中だと思って、見苦しくないように敷地の草刈りをするのが地域の景観を守る礼儀という意見もある。 |
くま 【熊】 | 熊もグルメで柿や栗が実る時などに出没する。出没した際に、各家庭にある防災無線から情報が流れる。 美山町芦生では昔から熊がたくさん棲息していて、芦生の人たちは冬の間は熊狩りで生計を立てていた。 その生活環境の中からわさび祭が生まれた。 |
くりーん だいさくせん 【クリーン大作戦】 | クリーン大作戦は、八木で行われている。大堰川河川敷の草刈りやゴミ拾いのこと。 クリーンデーとは別物。 |
くりーんでー 【クリーンデー】 | クリーンデーは、美山で行われている。区単位での生活道路掃除。 クリーン大作戦とは別物。 |
けいとら 【軽トラ】 | 車が日常の足となる南丹市(特に北部)では、一家に運転できる人数分の車があり、農業や狩猟をする家ではプラス軽トラが配備される。 一見同じに見える軽トラックの種類は実は豊富で、それぞれに持ち主自慢のスペックがあり、近所の人は「だれそれの軽トラ」とすばやく見分けることができる。 速く走る軽トラックはあまりおらず、軽トラックが前を走るために起こる「軽トラ渋沸」は南丹市の渋滞の原因のひとつ。 軽トラックの荷台に荷物を積んでロープでしばる技術はお年寄りほど高い傾向があり、「男結び」は身に付けたい憧れのロープワークである。 |
さいれん 【サイレン】 | 大音量で鳴り響く。 慌てふためいているとヨソモノだとわかる。地域によって鳴る時間が違う。 |
しか 【鹿】 | 猟期が始まると山に引っ込み、猟期が終わると山から出てくる。 夜の道路を運転する際はスピードに気をつけないといけないくらい、大量に出没するエリアがある。 |
じょせつ 【除雪】 | 雪深い地域では自宅周辺の雪かきは各自で行うが、幹線道路の除雪は、府や市から業務委託を受けた業者により行われる。 10センチ雪が積もると除雪車が出動する。 |
しんぶんはいたつ 【新聞配達】 | 地域によっては各家まで新聞が届かない。バス停にその集落で頼んでいる戸数分の新聞がまとめて配達され、それぞれが毎朝バス停に取りに来る。 たまに間違えてよその家の新聞を持っていってしまうこともあるらしい。 |
たうえぜんせん・ いねかりぜんせん 【田植え前線・ 稲刈り前線】 | 南北に長い南丹市。田植えも稲刈りも、美山→日吉→園部→八木と、北から南下していく。 その時期の差は2ヶ月ほどにもなるという。 |
ぷーる 【プール】 | 南丹市では昔から子どもは川で遊んでいた。 八木では大堰川を水泳場として「命札」という札を持って(おいて)泳ぎ、遊び終わると札を回収し、無事を確認した。 川の水は冷たくすぐに唇が紫になるが、子どもは川が大好きである。関連語)川当番 |
ぼうさいむせん 【防災無線】 | なぜか都会にはない画期的な地域情報通信。およそ全ての家庭に置かれている。 流れてくる内容は地域によって違うが、小学校の修学旅行の様子なども知ることができる。 |
もち 【餅】 | 米づくりが盛んな南丹市は、餅をつく文化もまだまだある。納豆餅、栃餅、蓬餅など、餅に他のものを混ぜ込む文化も。 納豆餅は、オムレツのように納豆を織り込むパターンと、つき込むパターンがある。唐臼(石臼)でつくのが、南丹スタイル |
やさいがげんかんにおいてある 【野菜が玄関に置いてある】 | ご近所さんが育てている野菜をお裾分けしてくれるというシーンは日常的。 インターホンも鳴らさずに置いていってくれることも多いが、その後のコミュニケーションのきっかけになる。 |
やまのるーる 【山のルール】 | 都会では知らない人が多い山のルール。山はすべてだれかが税金を払って管理している土地。 個人の持ち物や地域でつくる財産区の持ち物だったりするので、勝手に入ったり山菜を取ったりしてはいけない。 古道や登山道が整備されているところは歩いても大丈夫だが、勝手に植物など採集したりしてはいけない。オープンにしてくれていることに感謝して歩こう。 |
ゆき 【雪】 | 南丹市では美山町が一番雪が降る。ほぼ日本海側の気候である。 一番雪に慣れているので、一メートル降ってもすぐに雪かきをするが、それ以外の三町ではたまに雪がたくさん降ると交通に混乱が生じる。 |
個人的には「しか【鹿】」の欄は要チェックです。
角も含めて2m以上の鹿に夜間、車で走行中に出会いました。避けてくれるかな?と思ったら、まったく動じずの鹿さんでした。衝突していたら、運転中の人間も大怪我を負う大きさの鹿もいます。ご注意ください。