移住をする際、生活コストが低い地域であれば…とは誰しもが思います。
継続的に必要となる社会保険料や税金の南丹市と近隣自治体の比較です。
※日本全体で統一の国税等は記載しません
南丹市の状況と同時に、
移住者に人気の綾部市(3.1万人)と隣接する亀岡市(8.7万人)と京丹波町(1.2万人)、京都市(144万人)、そして大阪市(275万人)の状況を調べてみました。
※令和6年度の数値です。
先に管理人なりの結論をお伝えすると・・・「南丹市は恵まれている」です。他の自治体が力をいれているなぁ!と感じるものもありますが、医療費や税金面の生活コストは低い。ように感じます。
国民健康保険税率(介護保険含む)
国民健康保険は都道府県と市町村が保険者となって運営する公的な医療保険制度です。
自営業者とその家族、年金受給者が加入し、市町村ごとに保険料が異なります。
会社員の多くは職場の健康保険(健康保険組合、全国健康保険協会、共済組合など)に加入し、移住や転居をしてもほとんど保険料は変わりません。
※全国健康保険協会は都道府県単位で異なり(平均約10%)、京都府は10.13%(令和6年度)。
国民健康保険の年間の負担額は以下の(A)~(D)の合計額です。
(A)所得割:世帯内の国保加入者の前年の所得から基礎控除額を引いた金額に税率をかけて計算
(B)均等割:世帯内の国保加入者の人数に応じて計算
(C)平等割:世帯内の国保加入者の人数にかかわらず、一世帯あたりの定額で計算
(D)資産割:固定資産税額(償却資産分を除く)に税率をかけて計算
※年間の最高限度額106万(医療65万、後期高齢者24万、介護17万)と軽減判定は国が定めるため、各自治体とも基本的に同一です。
医療保険分
後期高齢者支援金分
介護納付金分(第2号被保険者(40~64歳)負担額)
モデル税額
課税所得400万円、夫婦2人(40歳)、子ども2人として試算した結果です。
※京丹波町の資産割りは除外して計算しました。
SEQ | 都市名 | 医療保険 | 後期高齢者 支援金 | 介護納付金 | 合計 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 南丹市 | 401,600 | 159,600 | 122,800 | 684,000 | |
2 | 綾部市 | 431,900 | 173,600 | 148,000 | 753,500 | |
3 | 亀岡市 | 419,260 | 159,690 | 139,810 | 718,760 | |
4 | 京丹波町 | 386,800 | 99,500 | 86,700 | 573,000 | 資産割り額除く |
5 | 京都市 | 425,770 | 155,530 | 127,250 | 708,550 | |
6 | 大阪市 | 557,363 | 180,559 | 144,378 | 882,300 |
比較した自治体内で南丹市が一番低いことに驚きました(京丹波町除く)。
京丹波町の資産割は珍しい仕組みです。実際には固定資産税額(償却資産分を除く)×48.8%が加算されます。
大阪市が一段と高いですが、京都府内でも自治体間で大きな差があります(約1.7倍)。
令和6年(2024年度)は京都府内の過半数の自治体で国民健康保険料の引き上げが実施されました(最大17.4%綾部市、次いで14.3%向日市、南丹市は据え置き)。
また令和7年(2025年度)も京都市で10.35%に引き上げが報道されています。
国民健康保険事業は構造的に厳しい財政運営を強いられます。
今後も引き上げが予想され、金額に大きな変化が起こる可能性があります。
2025年度(令和7年度)の年間の最高限度額109万(医療66万、後期高齢者26万、介護17万)に引き上げ予定です。
上限額引き上げ対象は、単身世帯の場合で年収約1,170万円以上の人で、加入者全体の1.5%程度となる見込みです。
個人住民税
・個人住民税は、所得に応じた負担を求める「所得割」と、所得にかかわらず定額の負担を求める「均等割」があります。
総務省|地方税制度|個人住民税
・所得割の税率は所得の10%(市町村民税6%、道府県民税4%)です。
※政令指定都市は市民税8%、道府県民税2%
・均等割の税額は4,000円(市町村民税が3,000円、道府県民税が1,000円)です
※実際の課税では、この基準を踏まえ都道府県や市町村が自らの判断で税率を定めます
・個人住民税と合わせて、森林環境税(国税)が1,000円徴収されます
京都府の府民税には「豊かな森を育てる府民税」として森林の整備および保全等の施策に要する経費の財源として600円が上乗せされています(平成28年度~令和7年度)。
同様に大阪府では大阪府森林環境税300円が上乗せされています。
個人住民税はどの自治体も同じですね。違うのは均等割の都道府県民税のみでした。
なお、「豊かな森を育てる府民税」について、南丹市は森林も多く、恩恵を授かっている自治体です(令和4年度に1千万円以上交付、府内3番目の額)。
固定資産税/都市計画税
・固定資産税は、住宅地や田んぼなどの土地、住宅やお店などの家屋、工場の機械や会社の備品などの償却資産にかかる税金です。
総務省|地方税制度|固定資産税、総務省|地方税制度|都市計画税
・都市計画税は、都市計画事業や土地区画整理事業を行う市町村が、都市計画区域内にある土地や家屋に対して課する税金です(最大0.3%)。
・税率は課税市町村の条例で決めることができる。
南丹市では市街化区域のみに都市計画税は課税されますが、指定区域は一部1です。
ほとんどの土地は固定資産税のみ(1.5%)の課税です。